2011年8月25日木曜日

若干一人 決断できる日本人の生存を確認

政権交代から3人目となる内閣総理大臣(首相)が近々誕生します。平成になって17人目とのこと。唯一、小泉政権のみ5年間だったので他の15人はそれぞれ1年前後だったことになります。全員が若葉マークの初心者ですから、結局、取り巻き陣(高級官僚)の言う通りにするだけ。反論も提案も出来るわけがない。政権交代時に「予算枠を組み替えれば年13兆円は捻出できる」と言い切った意味は何だったのか。積算の根拠になった数字は何だったのか。何の説明もないのですから不思議です。そして、大騒ぎした事業仕分け。その割りにはカットできたのは数百億円だけ。巨悪な大物は無傷で温存。小物のみカット。お陰でメタボ予防やバイオマス(生物エネルギー系)は仕分対象となり推進は頓挫しました。あの時、天下の宝刀を振るった冷血な仕分人たちは今どこで何をしているのでしょうか。陰が薄い。何と仕分け人の中にはその後、経済犯の被告になったヒトもいました。カッコ悪いネ。とは言え、彼らに政権を託したのは他ならぬ私たち。そして、1年後には衆参で"ねじれ"を生じさせたのも私たち。国会の四大重要機能、①行政の施行、②法律の執行、③条約の締結、④予算の作成、はマヒ状態へ。そして決定的な大ダメージとなった大震災と原発事故。何もかもが手詰まり状態での内閣総辞職です。こんな国にしたのは私たちです。彼らだけではなく私たちも変な進化をしたガラパゴス人だというわけです。

TV画面にテロップが流れました。また余震か…と思いきや、芸能人の引退(!)でした。何と暗黒街の"帝王"が背景にいる事が理由で芸能界の"帝王"が電撃的に引退。その独演会を生中継。TV報道番組がトップで流したニュースでした。信念が曖昧でケジメのない日本のトップ。グズグズ・ダラダラと勝手な言い訳ばかりする平成のリーダーたち。そんな今の日本社会の中で<決断できる日本人がついに出現した!>という皮肉った意味でのニュース価値があったのかも知れません。が、40数年の独裁だったリビアのカダフィ政権崩壊、米国に次いで日本も国債格付けラクンダウン、党員資格を剥奪しておきながら状況が変化すると次々と次期総理候補が擦り寄る滑稽な光景。そんなニュースよりも大きく報じられました。

辛口コメントで楽しませてくれた"帝王"の絶妙なトークがもう聴けないのかと思うとチョット寂しい。なぜ数年前の出来事をいま問題にしなければならなかったのか。その陰にある本当の理由は…(?)。芸能界を退くことで直近の何らかの刑事責任が免除されたということでしょう。くあばら…くあばら…。

2011年8月20日土曜日

悲しすぎる3つのシナリオ



東日本大震災で被害し、就学援助が必要な小中学生が4万4千人。補正予算額113億円が既にパンク状態だと言う。大緊急積増計上が必要とのこと。これも想定外だったということ(?)…。今頃になって「解った」とは何事ですか(!)。目玉公約の"子ども手当"を将来的に少し見直しだけ…修正継続するだけですから…。イヤ違う公約を取り下げ"児童手当"に戻るだけect。そんな党利党略の話しばかり。そんな場合ではないでしょう。ウンザリです。

沖縄米軍問題で失言、辞任したヒト。ちょっと疑わしい日本通(?)ですが、前米国務省幹部の新刊本『決断できない日本』によると、震災発生後、数日間、日本政府首脳陣との連絡が取れなかったらしい。米国軍は空母を三陸沖へ停泊。連日、無人探索機を飛ばし、独自に福島上空を調査。原子炉の温度を観測した。直ぐに超異常な温度であることを感知。16日未明には核燃料がメルトダウン(溶融)したと判断。国連をはじめ原子力国際機関や日本政府へ通告した。が、しかし、日本側の反応はなかったとのこと。一時、米国政府は東京在住の米国人全員(約9万人)を半径50マイル(80キロ)圏外へ退去勧告することを検討したとのこと。著者は「日本は政府機関の横の連携がない。コニュニケーションが極めて下手」と記している。要するに国家危機管理能力の低さを痛切に指摘。この"数日間"の日本政府首脳陣の「対応停止」のパニック状態が決定的なダメージをもたらしたと言うことです。国家的威信を捨ててでも日本政府は米国軍の指揮下で緊急対応すべきだったのでは…と悔やまれます。

つい数日前、横浜駅ホームで電車待ちをしていました。近くにいた若いサラリーマン二人の軽い会話が小耳に入りました。面白いが悲しい話しです。
A:"ポスト菅"は誰になるのかナ?
B:そりや"菅"に決まってるだろう!
A:エッ?
B:"なでしこ"へ国民栄誉賞を贈り、ご本人は"ノーベル平和賞"を狙っているらしいヨ(笑)
A:それッどう言うこと?
B:いろいろ考えてるようだヨ。あのヒトは…(笑)
間もなく退陣なので今では"パロディー"ですがつい1ヶ月前ならマジの話。3ステップからなる通称『亡国のシナリオ』と称される内容です。新聞にも載ったので知っている方も多いはず。つまり、第1ステップは『ポスト菅は菅』。自分の近辺を若い議員だけで固めることで影響力をキープ。第2ステップは『脱原発解散』。郵政解散選挙で成功した先輩首相(小泉さん)を見習うことで勝利する。第3ステップは『ノーベル平和賞受賞』。3・11で同情的な国際世論を見方に自然エネルギーの重要性を訴えることで米国オバマ大統領の"二番煎じ"を狙う、という3つのシナリオ。ガラパゴス化した話しです。

フランスでのG8で<脱原発宣言>と<自然エネルギーへ転換>を強調したご本人。その直後にフランスの新聞に載った風刺画。ご本人の顔と思いきやどうみても麻生さん(前首相)の顔。その程度の印象しかなかったのでしょう。チョット悲しい話しです。脱核兵器宣言でノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領も財政面では大失敗。目玉公約の国民健康皆保健制度は審議入りすら出来ず、お手上げ状態。米国経済は低迷中です。国債格付けランクダウン。何とそのトバッチリが日本経済へ直撃しています。日本円がリーマンショック時へ逆戻り、何と1ドル75円台(!)。ポスト菅さんへ、国難の危機、問題山積です。覚悟してください。大変でしょうが、国家と民族の未来を第一義に考えてください。お願いします。

2011年8月11日木曜日

あの日から今年で66年目。原爆は2発、原発は3基だけ。


アメリカ・イギリス・ソビエトの首脳陣がベルリン(ドイツ)郊外で会合。日本に降伏を迫る屈辱的な13ヵ条を決めます。ポツダム宣言(1945年7月17日)です。日本は"黙殺"します。この黙殺(silence)を"無視"(neglect)と誤訳(?)。短気な性格だったとされる米国大統領トルーマンは"シカト"されたことに激怒。だから…かどうかは不明ですが一大決意。8月6日、広島へ原爆投下。3日後、長崎へも投下。広島で20万、長崎で12万。計32万人が死亡。その50%は爆風で、35%が熱線、15%が放射線で死んだと見做されています。長崎に投下されたその日、日本が<頼みの綱>として休戦斡旋を頼んでいたソビエトが急遽参戦。満州侵攻が始まります。

長崎から5日後、ボツダム宣言を受諾。翌日、8月15日正午、天皇の肉声による例の玉音放送がラジオで流れ、太平洋戦争は終結します。真珠湾(ハワイ)攻撃から3年10ヶ月。戦死した兵士200万、民間人100万人。300万人の日本人の命と2200億円の戦費(当時としては莫大な金額)を使い切り終焉。あの日から今年で66年目です。

66年後の今年も、被爆認定者3千人が亡くなっている。放射能汚染の根深さ、怖さを痛感します。原爆と原発とでは全く質量が違う。次元が異なる別問題だとされます。が、今年は福島原発事故があり、結果として日本は広島・長崎・福島と三度、放射能汚染を経験したことになります。

今日、世界には2万6千発の核兵器があるらしい。ビックリ。でも、ソビエト崩壊前(1980年代)のピーク時には何と7万発もあったと言うのですから、冷戦終焉で激減している。一方、原発はどうか。29ヶ国に計431基あるとのこと。ご存知の通り、日本は原子力大国。アメリカ、フランスに次いで世界第3位の保有国(54基)です。東日本大災害で日本の"神話"が次々に崩れていますが、原発はその象徴です。電気と産業は切っても切れない仲。エネルギーを使わずに経済だけを発展させることはほぼ不可能です。これから日本は『脱原発』と声高に言われています。太陽光他の自然エネルギーへシフトするとリーダーは言うのですが、言うは易し行いは難し。原子力と太陽光とでは生産力の桁が違う話しです。それを知りながら言うのは無責任。もっとも先輩リーダーも国連で「CO2を25%削減します」と大見得を切った矢先に"Give-Up"する国柄ですから、脱原発も世界は信じてないとは思いますがネ。現存する原発を再稼動しながら徐々にシフトするしかないのが現実ではないでしょうか。

原発世界一のアメリカはスリーマイル事故後、稼働率アップ。日本も福島原発事故を糧に稼働率アップへ。ポスト菅では現実的な議論をして欲しい。どうするニッホン。

2011年8月3日水曜日

未来のニーズを知る秘訣は何か


学生時代のゼミ仲間の一人が退職。渋谷で"ご苦労さん会"をしました。秀才でエリートコースを歩んだ彼はヘッドハンティングされ、現職は携帯デンワ部品メーカーの幹部。最後の牙城(?)だったらしい国内工場が円高で海外移転。これが退職の背景にあると聴かされました。晩婚でバツイチ。末娘はまだ大学生。住宅ローンも返済中とか。身に詰まされる話です。中小企業診断士として経験豊富な彼は、故郷仙台へ戻り、震災復旧に苦しむ中小零細の支援活動をしたいとのこと。

携帯デンワ世界一のNOKIAがスマートフォンiPadの登場でAPPLEに負けたことが話題になりました。ウォークマンのSONYも同じですね。長年積み上げてきた世界一の企業実績が一つのアイテムが登場したことでアッという間に転落する。それも他業種からの"新参者"に負ける。大型タッチパネルiPodの登場で次はラップトップPCも消滅するかも知れないとのこと。不連続な革新。これが現代の怖さですネ。話題が講じて若い頃、大ショックを受けた通称"三点セット"の事へ。つまり、①ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)著『断絶の時代』、②アルビン・トフラー(Alvin Toffler)著『未来の衝撃』、③ハーマン・カーン(Herman Kahn)著『33年後の世界』の三冊。いずれも未来社会がどうなっていくのかを論じた名書です。驚くのはあれから40年後の今、殆どが現実にそうなっていることです。なぜ彼らは未来がそうなる…と思ったのだろうか。「彼らはユダヤ系だからでしょう…」と誰かが言い。妙に納得です。

3人中一人は数年前からリバイバル・ブームになっています。"もしドラ"と言うらしい。今となれば半ば神格化されたピーター・ドラッカー[写真参照]ですから、彼の"信者"たちは様々な解釈を付け加え、独自のドラッカー論を展開しています。が、その根幹は「顧客の創造」。それを成しと遂げるには「マーケティング」(市場)と「イノベーション」(革新)が必要。大切なのは現状のニーズではなく、未来のニーズだということです。データを集め、どのように分析しても、そこにあるのは現状のニーズだけ。未来のニーズはない。次世代で求められる潜在的な価値をどう見つけるか。APPLEの凄さはソレを見つけたことです。

ちなみに、その後、不滅の名書「マネージメント」を出したドラッカーは2005年、享年96才で他界。「大転期」を出したカーンは3年後、1983年、享年61才で他界。「第三の波」や「富の未来」を出したトフラーだけが健在。83才。これから40年後の世界はどうなっているのか。どんなビジネスが伸びるのか。どんな商品なら売れるのか。未来のニーズを知る秘訣は何か。などなど、教えて欲しいですネ。