2011年7月12日火曜日

ラストシーンは花のごとく…人のごとく…


無常の美。引き際の大切さを表現する言葉があります。400余年も経過した今でもよく引用される超有名な一句。

♪ 散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ ♪

細川ガラシャの辞世の句です。「敵は本能寺にあり」あの織田信長を倒した明智光秀。その娘として生まれ、明智三姉妹の中でも特に世間に翻弄され、悲惨で数奇な生涯を生き、潔く散った女性。凛とした生き方は日本女性の象徴です。死後、彼女のことはローマでオベラとなり、オーストリアで戯曲となり、今日でもこの劇「気丈な貴婦人」は「蝶々夫人」とならび上演されているそうです。

時の首相もこれまでに退陣の際にこの一句を口にします。記憶に新しいのは小泉純一郎元首相。現首相も自称"一定のメド"とやらがつけばどこかで辞任するのかも知れません。が、今のところ次々にその"メド"とやらが追加され、一向にその気はなさそうです。国難の危機です。世界一等国の最高権力者なのですから、普通の小父さんと同じ如き「言った…言わない…」を繰り返すことは勘弁して欲しい。見苦しいですヨ。あの方には細川ガラシャ的な凛とした美意識はないのかも知れません。が、心の中に書き留めて欲しい一句です。

あの日から4ヶ月も経っています。引き際が良ければ、世間の見方も変わります。花も人も同じです。

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