2011年4月12日火曜日

9.11と3.11 2つのパラダイムシフト



今から10年前、9月11日のNY多発テロ。当時、黒人初の国務長官パウエル氏は「USAは必ず復興する」だから「いつもと同じ生活行動を…」と連日TVで訴えました。決して"自粛しろ"とは言わなかった。彼は難しい言葉は一切使わず、誰にでも分かる日常語で語った。一方、10年後、今年の3月11日の三陸沖での大震災。日本の官房長官枝野氏は「未曾有の災害」だから「自粛を…」と訴えました。丁寧な語り口ですが難解な言葉や表現が多い。お役人が書いた原稿を読んでいる。かなり日本語達者な在日外人でも理解できないようで、外人記者クラブでは彼の会見後、毎回、解読セミナーが開設されるそうです。遠い昔、"全学連"のオルグ演説にどこか似ている。解説がないと理解できない。パウエル氏のように自分の言葉で外人にも分かるようにストレートに語ってほしい。ましてや福島原発の放射能汚染に至っては何がどの程度の危険なのかサッパリ分からない。政府のお抱え専門家集団である原子力安全保安院の会見に至ってはもっと分かりずらい。まるで科学用語の"直訳"ですからTV解説者の"意訳"が必要なほどです。残念ながら海外メディアの方が案外分かりやすいように思えてなりません。

9.11の米国と3.11の日本。この二つの国家的危機は人災と天災の違いがあります。被災規模は日本の方が数倍深刻で甚大です。なにせ地震と津波に加えて原発事故なのですから…。行方不明を含む死傷者は2万7千人(?)。日米間で違いはあるにせよ、一つハッキリ言えることは、この先の復興が後世に残るターニングポイントになることです。国民一人ひとりの国家や民族への考えをシッカリ持たねばなりません。現在の大ピンチを未来の大チャンスへ。まさに国家や社会の枠組みが変わるパラダイムシフトが起こったのです。

米国はその後、復興への矛先をテロリストへ。そのパトロンであるイラクへと向います。"大量破壊兵器"を保有しているに違いないとの思惑でイラク侵攻が始まります。泥沼化したその戦いは10年後の今も進行中(アフガン)。日本の復興はこれから始まります。矛先をどこへ向けるのか。深刻なのは福島第1と第2原発です。国連の原子力管理機関IAEAではソ連時代のチェルノブイリ原発事故(25年前)と同レベルと観ているからです。つまり、福島原発を廃炉にするには10年以上の長い時間がかかるという意味です。チェルノブイリ周辺には未だに退去避難者は戻っていません。とにかく500kmにおよぶ広範囲な東北太平洋沿岸の復興は険しくて長い道程になります。巨額な資金と遠大な努力が必要です。日本人一人ひとりが覚悟しなければなりません。これから日本をどうしたいのか。「民族」と「国家」と「経済」のために何が出来るのか。復興へ向けて考えねばなりません。

GANBARO NIPPON!

ちなみに、体を張って復興へ立ち向かったパウエル氏はその後、どうなったのか。ブッシュ大統領の取り巻き勢"ネオコン"と衝突。国務長官を辞任。政治家を廃業します。元軍人らしく潔い良い引き際でした。その結果、黒人初の大統領は彼ではなく、親子ほど歳が違うオバマ氏の登場までお預けになったのです。枝野さんはどうするつもりなのでしょうか。

1 件のコメント:

  1. 官房長官枝野さんは3月下旬にはレベル7(チェルノブイリ原発事故)に相当すると認識していたとか、その頃、経済産業庁(原子力安全保管院)はレベル5と発表していた。が、当初から世界はレベル7と観ていたのです。国連は今日「チェルノブイリとは質が異なる。福島の放射能汚染は10の1程度。土壌汚染は回復できるはずだ」と日本へエールを送っています。

    今日、世界銀行が東日本大震災での復興に必要な資金を試算。「毎年GNPの10%を数年間投入しなければならないであろう」との見解を発表しました。つまり、毎年4.7兆年が必要。消費税に換算すれば今の5%⇒7%へ引き上げばねばならないことになります。

    覚悟しましょう。頑張ろう・日本!

    返信削除